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積の微分公式

本項では、『積の微分公式』 と 『問題の解き方』について解説します。

【1】積の微分公式

積の微分公式とは、2つの関数 \(\large{f(x),\hspace{5pt}g(x)}\) が微分可能であるときに成り立つ公式です。

  【 積の微分公式 】
\(\large{f(x)\hspace{1pt},\hspace{3pt}g(x)}\) が微分可能であるとき
\(\displaystyle\large{ \{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}\)

例えば、以下のような 2つの関数の積で表される関数を微分するときに 積の微分公式が使用できます。

【例題】
次の関数を微分せよ
\(\large{(x^2+1)(x+5)}\)

【例題】の解答
問題の関数において
\(\large{f(x)=x^2+1}\)、\(\large{g(x)=x+5}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x^2+1)'(x+5)+(x^2+1)(x+5)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 2x\cdot(x+5)+(x^2+1)\cdot1 \\[0.5em] \large &\large =&\large 3x^2+10x+1 \\[0.5em] \end{eqnarray} と解くことができます。

【1-1】積の微分公式の証明

積の微分公式を導関数の定義から導きます。

関数\(\large{f(x)}\) の 導関数\(\large{f'(x)}\) は、以下の式により定義されます。

  【 導関数の定義 】
関数 \(\large{y=f(x)}\) の導関数
\(\displaystyle\large{ f'(x) = \lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}}\)

上記の導関数の定義を使用して、積の微分公式を証明します。

公式の証明は、\(\large{\color{blue}{-f(x)g(x+h)}+\color{blue}{f(x)g(x+h)}}\) の項を加えることにより、\(\large{f'(x)}\) と \(\large{g'(x)}\) の定義式を作り出すところがポイントです。

\begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x)}{h}\\[0.5em] \large &\large =&\large \lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)g(x+h)\color{blue}{-f(x)g(x+h)}+\color{blue}{f(x)g(x+h)}\color{black}{}-f(x)g(x)}{h}\\[0.5em] \large &\large =&\large \lim_{h \to 0}\frac{\{f(x+h)-f(x)\}g(x+h)+f(x)\{g(x+h)-g(x)\}}{h}\\[0.5em] \large &\large =&\large \lim_{h \to 0}\left\{\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\cdot g(x+h)+f(x)\cdot\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\right\}\\[0.5em] \end{eqnarray}

ここで、 $$\large{ f'(x) = \lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}}$$ $$\large{g'(x) = \lim_{h \to 0}\frac{g(x+h)-g(x)}{h}}$$ であることから、 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ が導かれます。

【1-2】3つの関数の積の微分公式

3つの関数 \(\large{f(x)\hspace{1pt},\hspace{3pt}g(x)\hspace{1pt},\hspace{3pt}h(x)}\) が微分可能であるとき、以下の式が成り立ちます。

$$\large{\{f(x)g(x)h(x)\}'=f'(x)g(x)h(x)+f(x)g'(x)h(x)+f(x)g(x)h'(x)}$$

3つの関数の積の微分公式 は、積の微分公式から証明することができます。

・証明

3つの関数 \(\large{f(x)\hspace{1pt},\hspace{3pt}g(x)\hspace{1pt},\hspace{3pt}h(x)}\) が微分可能であるとする。

\(\large{v(x)=g(x)\cdot h(x)}\) とすると、積の微分公式から $$\large{\{f(x)v(x)\}'=f'(x)v(x)+f(x)v'(x)\hspace{7pt}(1)}$$ ここで、\(\large{v(x)=g(x)h(x)}\) から、 $$\large{v'(x)=\{g(x)h(x)\}'=g'(x)h(x)+g(x)h'(x)\hspace{7pt}(2)}$$ (2)式を(1)式に代入すると、

\begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)h(x)\}' &\large =&\large f'(x)g(x)h(x)+f(x)\{g'(x)h(x)+g(x)h'(x)\}\\[0.7em] \large &\large =&\large f'(x)g(x)h(x)+f(x)g'(x)h(x)+f(x)g(x)h'(x)\\[0.5em] \end{eqnarray}

が導かれます。

【2】問題と解き方

本章では、積の微分公式 に関連した問題について解説します。

【問題】
以下の関数を微分せよ。
\begin{eqnarray} &&\large(1)\hspace{5pt}\large{y=(x^2+4)(x^3+1)}\\[0.7em] &&\large(2)\hspace{5pt}\large{y=(x^3-2)(x^4-3)}\\[0.7em] &&\large(3)\hspace{5pt}y=x(x-1)(3x-2)\\[0.7em] \end{eqnarray}

問題(1)~(3)は、関数の積の微分を計算する問題です。
(解答と解説 : 問題(1) 問題(2) 問題(3))

【問題】
以下の関数を微分せよ。
\begin{eqnarray} &&\large(4)\hspace{5pt}y=x^3\sin x\\[0.7em] &&\large(5)\hspace{5pt}y=x\cos x\\[0.7em] &&\large(6)\hspace{5pt}y=x^2\tan x\\[0.7em] &&\large(7)\hspace{5pt}y=x^2e^x\\[0.7em] &&\large(8)\hspace{5pt}y=x \log x\\[0.7em] \end{eqnarray}

問題(4)~(8)は、三角関数や指数関数、対数関数を含んだ関数に、積の微分公式を適応する問題です。
(解答と解説 : 問題(4) 問題(5) 問題(6) 問題(7) 問題(8))

問題(1) 2つの関数の積

【問題(1)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=(x^2+4)(x^3+1)}\)

【解答と解説】
本問は、積の微分公式により関数を微分する問題です。

\(\large{f(x)=x^2+4}\)、\(\large{g(x)=x^3+1}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ から、

\begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x^2+4)'(x^3+1)+(x^2+4x)(x^3+1)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 2x\cdot(x^3+1)+(x^2+4x)\cdot 3x^2 \\[0.5em] \large &\large =&\large 5x^4+12x^3+2x \\[0.5em] \end{eqnarray}

と求めることができます。

問題(2) 2つの関数の積

【問題(2)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=(x^3-2)(x^4-3)}\)

【解答と解説】
本問は、積の微分公式により関数を微分する問題です。

\(\large{f(x)=x^3-2}\)、\(\large{g(x)=x^4-3}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ から、

\begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x^3-2)'(x^4-3)+(x^3-2)(x^4-3)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 3x^2\cdot(x^4-3)+(x^3-2)\cdot 4x^3 \\[0.5em] \large &\large =&\large 7x^6-8x^3-9x^2 \\[0.5em] \end{eqnarray}

と求めることができます。

問題(3) 3つの関数の積

【問題(3)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=x(x-1)(3x-2)}\)

【解答と解説】
本問は、3つの関数の積の微分公式により関数を微分する問題です。

\(\large{f(x)=x}\)、\(\large{g(x)=x-1}\)、\(\large{h(x)=3x-2}\) とおくと3つの関数の積の微分公式

$$\large{\{f(x)g(x)h(x)\}'=f'(x)g(x)h(x)+f(x)g'(x)h(x)+f(x)g(x)h'(x)}$$

から、

\begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)h(x)\}' &\large =&\large(x)'(x-1)(3x-2)+x(x-1)'(3x-2)+x(x-1)(3x-2)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 1\cdot(x-1)(3x-2)+x\cdot 1 \cdot(3x-2)+x(x-1)\cdot 3 \\[0.5em] \large &\large =&\large 9x^2-10x+2 \\[0.5em] \end{eqnarray}

と求めることができます。

問題(4) 三角関数を含む積の微分

【問題(4)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=x^3\sin x}\)

【解答と解説】
本問は、三角関数を含む積の微分を求める問題です。

\(\large{f(x)=x^3}\)、\(\large{g(x)=\sin x}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ と、三角関数の微分 $$\large{(\sin x)' = \cos x}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x^3)'\sin x+x^3(\sin x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 3x^2\sin x+x^3\cos x \\[0.5em] \end{eqnarray} となります。

問題(5) 三角関数を含む積の微分

【問題(5)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=x\cos x}\)

【解答と解説】
本問は、三角関数を含む積の微分を求める問題です。

\(\large{f(x)=x}\)、\(\large{g(x)=\cos x}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ と、三角関数の微分 $$\large{(\cos x)' = -\sin x}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x)'\cos x+x(\cos x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large \cos x-x\sin x \\[0.5em] \end{eqnarray} となります。

問題(6) 三角関数を含む積の微分

【問題(6)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=x^2\tan x}\)

【解答と解説】
本問は、三角関数を含む積の微分を求める問題です。

\(\large{f(x)=x^2}\)、\(\large{g(x)=\tan x}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ と、三角関数の微分 $$\large{(\tan x)' = \frac{1}{\cos^2 x}}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x^2)'\tan x+x^2(\tan x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 2x\tan x+x^2\frac{1}{\cos^2 x} \\[0.5em] \end{eqnarray} となります。

問題(7) 指数関数を含む積の微分

【問題(7)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=x^2e^x}\)

【解答と解説】
本問は、指数関数を含む積の微分を求める問題です。

\(\large{f(x)=x^2}\)、\(\large{g(x)=e^x}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ と、指数関数の微分 $$\large{(e^x)' = e^x}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x^2)'e^x+x^2(e^x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large 2x e^x+x^2 e^x \\[0.5em] \large &\large =&\large xe^x(x+2) \\[0.5em] \end{eqnarray} となります。

問題(8) 対数関数を含む積の微分

【問題(8)】
次の関数を微分せよ。
\(\displaystyle \large{y=x \log x}\)

【解答と解説】
本問は、対数関数を含む積の微分を求める問題です。

\(\large{f(x)=x}\)、\(\large{g(x)=\log x}\) とおくと積の微分公式 $$\large{\{f(x)g(x)\}' = f'(x)g(x)+f(x)g'(x)}$$ と、対数関数の微分 $$\large{(\log x)' = \frac{1}{x}}$$ から、 \begin{eqnarray} \large \{f(x)g(x)\}' &\large =&\large(x)'\log x+x(\log x)'\\[0.5em] \large &\large =&\large \log x+ x\cdot \frac{1}{x} \\[0.5em] \large &\large =&\large \log x +1 \\[0.5em] \end{eqnarray} となります。


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