-光と光学に関連する用語の解説サイト-

二次関数の平行移動

【1】二次関数の平行移動とは

グラフの形状を変化させずに、グラフ全体の座標を一定の方向に、一定の量だけ変化させることを平行移動といいます。

下図に、直線と二次関数のグラフを『 \(\large{x}\)軸方向に \(\large{\color{red}{+p}}\) , \(\large{y}\)軸方向に \(\large{\color{blue}{+q}}\) 』だけ平行移動する様子を示します。 二次関数と直線の平行移動

直線のグラフである \(\large{y=ax}\) を『\(\large{x}\)軸方向に\(\large{\color{red}{+p}}\), \(\large{y}\)軸方向に\(\large{\color{blue}{+q}}\)』だけ平行移動する場合は、『\(\large{x}\) を (\(\large{x-p}\))、\(\large{y}\) を (\(\large{y-q}\))』に置き換えることで平行移動を表します。 $$\large{y - \color{blue}{q}\color{black}{} = a(x -\color{red}{p}\color{black}{})}$$ 上式を整理すると、平行移動後の式は以下のようになります。 $$\large{y = a(x-p)+q}$$

【1-1】二次関数の平行移動

二次関数に対しても同様の方法で平行移動させることができます。

二次関数 \(\large{ y=ax^2 }\)を『 \(\large{x}\)軸方向に\(\large{\color{red}{+p}}\), \(\large{y}\)軸方向に\(\large{\color{blue}{+q}}\) 』だけ平行移動する場合も、『\(\large{x}\) を (\(\large{x-p}\))、\(\large{y}\) を (\(\large{y-q}\))』に置き換えます。 $$\large{\large{y-\color{blue}{q}\color{black}{}=a(x-\color{red}{p}\color{black}{})^2}}$$ 上式を整理すると、平行移動後の式は以下のようになります。 $$\large{y=a(x-\color{red}{p}\color{black}{})^2 + \color{blue}{q}\color{black}{}}$$

上式は、頂点の座標が \(\large{(p,q)}\) の二次関数を表します。

平行移動前の二次関数 \(\large{y=ax^2}\) の頂点が原点\(\large{(0,0)}\)であるため、『 平行移動により、頂点の座標が \(\large{x}\)軸方向に \(\large{+p}\), \(\large{y}\)軸方向に \(\large{+q}\) 』だけ変化したとも考えられます。

二次関数の平行移動の問題を解く場合は、下図のように『平行移動によって、頂点の位置がどのように変化するか』と考えると分かりやすくなります。 二次関数のグラフの平行移動

【1-2】二次関数のグラフの一致

次に、二次関数を平行移動させてグラフを一致させることを考えます。

二次関数の形状は、\(\large{x^2}\) の係数\(\large{a}\) の値により変化します。
つまり、2つの二次関数の係数\(\large{a}\)の値が同じであれば、2つのグラフは平行移動させることで一致させることができます。

例えば、ある二次関数の頂点の座標が \(\large{(p,q)}\) であるとします。このような二次関数は、以下のように表されます。 $$\large{\large{y=a(x-p)^2+q}}$$

ここで、頂点の座標が \(\large{(s,t)}\) である二次関数 $$\large{\large{y=a(x-s)^2+t}}$$ を平行移動して、頂点の座標 \(\large{(p,q)}\) を持つ二次関数と一致させるとします。

頂点の座標 \(\large{(s,t)}\) から\(\large{x}\)軸方向に\(\large{x_1}\)、\(\large{y}\)軸方向に\(\large{y_1}\)だけ平行移動すると、頂点 \(\large{(p,q)}\) と一致すると考えると、以下の式が成り立ちます。 $$\large{s + x_1 = p}$$ $$\large{t + y_1 = q}$$

したがって、グラフを一致させるための移動量 \(\large{x_1}\)、\(\large{y_1}\) は、以下のように2つの二次関数の頂点の座標の差分をとった値となります。 $$\large{x_1 = p - s}$$ $$\large{y_1 = q - t}$$ 二次関数のグラフの平行移動による一致

【2】平行移動の問題

二次関数の平行移動に関連した問題を解説します。

問題(1) 平行移動と二次関数の決定

【問題.1】
\(\large{y=2x^2 + 4x +5}\) を \(\large{x}\)軸方向に \(\large{-3}\), \(\large{y}\)軸方向に \(\large{+2}\) だけ平行移動した二次関数を求めよ。

【解答と解説】
まず、問題文の二次関数を平方完成して、頂点の座標を求めます。

\(\large{y=2x^2 + 4x +5}\) を平方完成すると、以下のようになります。 \begin{eqnarray} \large y&\large=&\large 2x^2 + 4x +5\\ \large &\large=&\large 2(x^2 +2x)+5\\ \large &\large=&\large 2(x^2+2x +1^2 -1^2) +5\\ \large &\large=&\large 2(x+1)^2 +3\\ \end{eqnarray}

したがって、頂点の座標は (\(\large{-1,3}\)) となります。

ここで、頂点の座標を\(\large{x}\)軸方向に \(\large{-3}\)、\(\large{y}\)軸方向に \(\large{+2}\) だけ平行移動した場合、頂点の座標は \(\large{(-4,5)}\) となります。

\(\large{x^2}\)の係数が \(\large{2}\)、頂点の座標が \(\large{(-4,5)}\) であるような二次関数は以下のような式となります。 $$\large{y=2(x+4)^2 +5}$$

したがって、求める二次関数は \(\large{y=2(x+4)^2 +5}\) となります。

問題(2) 平行移動と二次関数の一致

【問題.2】
\(\large{y=2x^2 - 4x +3}\) を平行移動し \(\large{y=2x^2 - 8x +5}\) のグラフと一致させるためには どのように平行移動させればよいか。

【解答と解説】
与えられた二次関数を平方完成して、頂点の座標を求めます。

\(\large{y=2x^2 - 4x +3}\) を平方完成すると、以下のようになります。 \begin{eqnarray} \large y&\large=&\large 2x^2 - 4x +3\\ \large &\large=&\large 2(x^2 -2x)+3\\ \large &\large=&\large 2(x^2 -2x +1^2 -1^2) +3\\ \large &\large=&\large 2(x-1)^2 +1\\ \end{eqnarray}

したがって、頂点の座標は (\(\large{1,1}\)) となります。

また、\(\large{y=2x^2 - 8x +5}\) を平方完成すると、以下のようになります。 \begin{eqnarray} \large y&\large=&\large 2x^2 - 8x +5\\ \large &\large=&\large 2(x^2 -4x)+5\\ \large &\large=&\large 2(x^2 -4x +2^2 -2^2) +5\\ \large &\large=&\large 2(x-2)^2 -3\\ \end{eqnarray}

したがって、頂点の座標は (\(\large{2,-3}\)) となります。

よって、頂点の座標 (\(\large{1,1}\)) を平行移動し、頂点の座標を (\(\large{2,-3}\)) とすればよいので、\(\large{x}\)軸方向の移動量\(\large{x_1}\)、\(\large{y}\)軸方向の移動量\(\large{y_1}\) は、以下のように求められます。 $$\large{x_1 = 2-1 =1}$$ $$\large{y_1 = -3-1 =-4}$$

したがって、\(\large{x}\)軸方向に \(\large{+1}\)、\(\large{y}\)軸方向に \(\large{-4}\) だけ平行移動すればよいと分かります。


Copyright (c) 光学技術の基礎用語 All Rights Reserved.