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指数不等式の解法

指数不等式とは、『 2x < 8 』や『32x -12・3x +27 < 0 』など式中に指数関数のある不等式のことです。
本章では、指数不等式の基本的な問題と、その解法について解説します。

【1】指数不等式の基本

本章では、指数不等式の基本的な問題 と 解き方 について解説します。

【1-1】底をそろえる解法(1)

まず、以下のような問題について考えます。

【指数不等式の問題】
次の不等式を解け。
\(\displaystyle \large{2^x > 8}\)

指数不等式を解くときは、まず 『\(\large{\boldsymbol{a^x > a^b}}\)』 の形式となるように底をそろえます。

このとき、底の大きさによって指数不等式は以下のように解くことができます。

【指数不等式の解】
  \(\large{a > 1}\) のとき \(\large{\boldsymbol{a^x > a^b}}\) の解は \(\large{\color{red}{x > b}}\)
\(\large{0 < a < 1 }\) のとき \(\large{\boldsymbol{a^x > a^b}}\) の解は \(\large{\color{blue}{x < b}}\)

すなわち、『底 \(\large{\boldsymbol{a}}\) が \(\large{\boldsymbol{1}}\) より大きければ、不等式の大小関係は一致
底 \(\large{\boldsymbol{a}}\) が \(\large{\boldsymbol{1}}\) より小さければ、不等式の大小関係は反転する』という関係にあります。

問題の式の右辺は \(\large{8 = 2^3}\) であることから、与えられた指数不等式の底を 2 にそろえると、以下のようになります。 $$\large{2^x > 2^3}$$ ここで、底 \(\large{2}\) は\(\large{1}\)より大きいので、不等号の向きは変わらないため、 $$\large{x > 3}$$ と解くことができます。

指数不等式の問題は、底の大きさにより不等号の向きが変化してしまう点がややこしいです。
不等号の向きを判断するときは、指数関数のグラフを描くことで、分かりやすくなります。

例えば、以下の図は \(\large{y=2^x}\) のグラフを描いたものです。
(指数関数のグラフについては別ページで解説しています。) 底が2の指数関数のグラフ_指数不等式の説明

上図のように、底が \(\large{1}\) より大きい指数関数は、単調増加 (\(\large{x}\)の値が大きくなれば、常に\(\large{y}\)の値が大きくなる) であるため、\(\large{y}\)の大小関係と\(\large{x}\)の大小関係が一致します。

したがって、\(\large{2^x}\) に関する不等号を解くときは、不等号の向きを変えないと判断することができます。

【1-2】底をそろえる解法(2)

次に、以下のような問題について考えます。

【指数不等式の問題】
次の不等式を解け。
\(\displaystyle \large{\left(\frac{1}{2}\right)^x < \frac{1}{8}}\)

前問と同様に『\(\large{\boldsymbol{a^x < a^b}}\)』 の形式に変形します。

式の右辺は \(\large{\displaystyle \frac{1}{8} = \left(\frac{1}{2}\right)^3}\) であることから、与えられた指数不等式の底を \(\large{\frac{1}{2}}\) にそろえると、以下のようになります。 $$\displaystyle \large{\left(\frac{1}{2}\right)^x < \left(\frac{1}{2}\right)^3}$$ ここで、底 \( \large{\frac{1}{2}}\) は \(\large{0 < \frac{1}{2} < 1}\) であるため、不等号の向きを反転させて $$\large{x > 3}$$ と解くことができます。

以下に、底が\(\large{\frac{1}{2}}\)の指数関数のグラフを示します。 底が1/2の指数関数のグラフ_指数不等式の説明

上図のように、底が \(\large{1}\) より小さい指数関数は、単調減少 (\(\large{x}\)の値が大きくなれば、常に\(\large{y}\)の値が小さくなる) であるため、\(\large{y}\) の大小関係と \(\large{x}\) の大小関係が反転します

したがって、\(\displaystyle \large{\left(\frac{1}{2}\right)^x}\) に関する不等号を解くときは、不等号の向きを反転させると判断することができます。

【補足】問題の別解

指数不等式の問題 $$\displaystyle \large{\left(\frac{1}{2}\right)^x < \frac{1}{8}}$$ は、底を \(\large{2}\) に変形して解くこともできます。

指数が負の場合の計算から $$\displaystyle \large{\left(\frac{1}{2}\right)^x < \left(\frac{1}{2}\right)^3}$$ $$\displaystyle \large{2^{-x} < 2^{-3}}$$ と変形することができます。ここで、底 \(\large{2}\) は\(\large{1}\)より大きいので、不等号の向きは変わらないため、 $$\large{-x < -3}$$ $$\large{ x > 3}$$ と解くことができます。

この解き方では、底の大きさを \(\large{1}\) 以上にして解けるため、不等号の向きを変えずに解くことができます。

【1-3】置換による不等式の解法

次に、以下のような問題について考えます。

【指数不等式の問題】
次の不等式を解け。
\(\displaystyle \large{3^{2x} - 12 \cdot 3^x +27 < 0 }\)

問題の不等式のように、複数の項をもつ式の場合は、置換により解くことを考えます。
まず、与えられた指数不等式を 『\(\large{3^x}\)』 のみで表現します。

式中の \(\large{3^{2x}}\) は指数法則の \(\large{(a^m)^n = a^{mn}}\) より $$\large{3^{2x}={(3^x)}^2}$$ と表すことができます。よって、与えられた指数不等式は $$\large{{(3^x)}^2 - 12\cdot 3^x +27 < 0 }$$ ここで、\(\large{3^x = X }\) \(\large{(X > 0)}\) とおくと、 $$\large{X^2 -12X +27 < 0}$$ $$\large{(X -3)(X - 9) < 0}$$ と\(\large{X}\)の二次不等式に変形することができます。

上式を解くと、 $$\large{3 < X < 9}$$ すなわち、 $$\large{3^1 < 3^x < 3^2}$$ 底の \(\large{3}\) は \(\large{1}\) より大きいため、不等号の向きはそのままになります。したがって、 $$\large{1 < X < 2}$$ と解くことができます。

【2】指数不等式の応用問題

本章では、指数不等式の応用問題について解説します。

【2-1】指数不等式の応用問題(1)

次に、以下のような問題について考えます。

【累乗根を含んだ指数不等式の問題】
次の不等式を解け。
\(\displaystyle \large{2^x > \frac{1}{\sqrt[3]{16}}}\)

指数不等式に累乗根が含まれているため、指数が有理数の場合の計算から \(\large{a^b}\) の形式に変形します。 $$\large{\frac{1}{\sqrt[3]{16}} = \frac{1}{\sqrt[3]{2^4}} = \frac{1}{2^\frac{4}{3}}}$$ さらに、指数が負の場合の計算から $$\large{\frac{1}{2^\frac{4}{3}} = 2^{-\frac{4}{3}}}$$ となります。したがって、与えられた指数不等式は以下のようになります。 $$\large{2^x > 2^{-\frac{4}{3}}}$$ ここで、底 \(\large{2}\) は\(\large{1}\)より大きいので $$\displaystyle \large{x > -\frac{4}{3}}$$ と解くことができます。

【2-2】指数不等式の応用問題(2)

次に、以下のような問題について考えます。

【指数不等式の問題】
次の不等式を解け。
\(\displaystyle \large{ \left( \frac{1}{9} \right)^x - \left( \frac{1}{3} \right)^{x-1} -54 >0 }\)

まず与えられた指数不等式を 指数法則を利用して変形します。

式中の \(\displaystyle \large{\left( \frac{1}{9} \right)^x}\) は指数法則の \(\large{(a^m)^n = a^{mn}}\) より $$\large{\displaystyle \left( \frac{1}{9} \right)^x = \left( \frac{1}{3^2} \right)^x = \left( \frac{1}{3} \right)^{2x}}$$ と表せます。さらに、\(\large{a^m \times a^n = a^{m+n}}\) より $$\large{\left( \frac{1}{3} \right)^{x-1} = \left(\frac{1}{3}\right)^{-1} \cdot \left( \frac{1}{3} \right)^{x}=3 \cdot \left( \frac{1}{3} \right)^{x}}$$ と表すことができます。

与えられた指数不等式は $$\large{\left( \frac{1}{3} \right)^{2x} - 3 \cdot \left( \frac{1}{3} \right)^{x} -54 >0}$$ ここで、\(\displaystyle \large{ \left( \frac{1}{3} \right)^{x} = X}\) (\(\large{X > 0}\)) とおくと、 $$\large{X^2 -3X -54 > 0}$$ $$\large{(X-9)(X+6) > 0}$$ ここで、\(\large{X+6}\) は \(\large{X > 0}\) であるため、すべての \(\large{x}\) に関して\(\large{X+6 > 0}\)となります。

したがって、 $$\large{X -9 > 0}$$ $$\large{X > 9}$$ すなわち、 $$\large{\left( \frac{1}{3} \right)^{x} > 9}$$ ここで、指数が負の場合の計算から \(\displaystyle \large{9 = 3^2 = \left( \frac{1}{3} \right)^{-2}}\) であるため、 $$\large{\left( \frac{1}{3} \right)^{x} > \left( \frac{1}{3} \right)^{-2}}$$ 底の \(\large{\frac{1}{3}}\) は \(\large{1}\) より小さいため、不等号の向きは反転します。したがって、 $$\large{x < -2}$$ が不等式の解となります。


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