運動方程式の英語表現

本項では以下の内容を解説しています。

• ・運動方程式の記号や文字の英語表現
• ・摩擦を受ける運動に関連する英語表現
• ・関連用語の一覧

【1】運動方程式の英語表現

運動方程式とは、物体の運動を記述する基本的な方程式です。運動方程式を英語では、"equation of motion"といいます。
運動方程式の英語(equation of motion)の頭文字から、EOMと省略されることもあります。

【1-1】ニュートンの運動方程式の英語表現

物体の運動を表す以下のような方程式をニュートンの方程式といいます。ニュートンの運動方程式は、英語で"Newton's equation of motion"といいます。

ニュートンの方程式は、質量\(\large{m}\)の物体に、力\(\large{\boldsymbol{F}}\)が加わるとき、加速度\(\large{\boldsymbol{a}}\)が発生することを説明します。

ニュートンの方程式の記号の意味と英語名を以下の表に示します。

ニュートンの運動方程式を英語で読むと、"F is equal to m times a."などといいます。
A is equal to Bは数式の『A=B』、A times Bは『A×B』を表します。

力\(\large{\boldsymbol{F}}\)、加速度\(\large{\boldsymbol{a}}\)はベクトル量です。力や加速度をベクトルで表現する場合は、vector Fやvector aといいます。(ベクトルの英語表現は別ページで解説しています。)

また、ニュートンの運動方程式の意味を英語で説明すると『(正味の)力は、物体の質量と加速度の積に等しい』を英訳して、
The (net) force is equal to the product of the mass of the object and the acceleration.などといいます。

The net forceは『正味の力』を意味します。正味の力とは、物体に加わる力を全て合計した力のことを指します。
また、the product of A and Bは、『AとBの積』を表す用語です。

【1-2】単位の読み方

力\(\large{\boldsymbol{F}}\)、質量\(\large{m}\)、加速度\(\large{\boldsymbol{a}}\)は主に以下の単位が使用されます。

例えば、『10Nの正味の力を2kgの物体に加えたとき、5m/s²の加速度が発生します。』を英語で表すと、
"When the net force of 10 newtons is applied to a 2 kilograms object, it produces an acceleration of 5 meters per second squared on the object."
などといいます。

加速度の単位に使用されるA squaredは『Aの2乗』を表しています。詳しくはべき乗の英語表現に記載しています。

【1-3】速度と加速度の英語表現

速度(velocity)とは、単位時間当たりの位置の変化率を表す値です。速度は以下の式により記述されます。 $$\large{v=\frac{dx}{dt}}$$

位置\(\large{x}\)の微分\(\Large{\frac{dx}{dt}}\)は、英語で"dx (over) dt"や"derivative of x with respect to t"などといいます。 (微分の英語表現については別ページで解説しています。)

また、加速度(acceleration)とは、単位時間当たりの速度の変化率を表す値であるため、速度を微分した以下の式により記述されます。 $$\large{a=\frac{dv}{dt}=\frac{d^2 \boldsymbol{x}}{dt^2}}$$ 上式の位置の二階微分\(\Large{\frac{d^2 \boldsymbol{x}}{dt^2}}\)は、英語で"d two x (over) dt two"や"second derivative of x with respect to t"などといいます。

上式を用いると、ニュートンの運動方程式は以下のように表されます。 $$\large{\boldsymbol{F} =m \frac{d^2 \boldsymbol{x}}{dt^2}}$$

ここで、『加速度とは、物体の速度の時間に関する変化率です。』を英語で表すと、
"Acceleration is the rate of change of an object's velocity with respect to time."などといいます。

【2】摩擦を受ける運動の英語表現

下図のように、水平なあらい面に置かれた質量\(\large{m}\)の物体が力を受けて運動しているとします。

図中の\(\large{\boldsymbol{F}}\)が物体の受ける力を表しています。物体が受ける力を英語で"applied force"といいます。

また、物体の受ける力と反対方向には摩擦力(friction force)が発生します。物体が運動している場合、動摩擦力(kinetic friction force)が物体の運動と反対の方向に発生します。

物体の受ける力を\(\large{F}\)、摩擦力を\(\large{f}\)とすると、水平方向の運動方程式は以下の式のようになります。 $$\large{F -f = ma}$$

図中の\(\large{\boldsymbol{W}}\)は物体の重量を表しています。重量は、重力加速度(gravitational acceleration)と物体の質量(mass)の積により計算される力です。

物体が床面から受ける力を垂直抗力、英語で"Normal force"といいます。上図では、垂直抗力と物体の重量が釣り合っているため、以下の式が成り立ちます。 $$\large{mg-N=0}$$

【2-1】摩擦の英語表現

摩擦は英語で"friction"といいます。あらい面(rough surface)に置かれた物体が力を受けているとき、摩擦力(friction force)が発生します。

(一方、『(摩擦のない)滑らかな面』は英語で"smooth surface"や"frictionless surface"といいます。)

摩擦には、以下のように静止摩擦力と動摩擦力の2種類が存在します。

・静止摩擦力

物体が静止しているときに働く摩擦を静止摩擦力、英語で"static friction"や"static frictional force"といいます。
静止摩擦力は、物体に与える力を大きくするほど大きくなり、物体が動き出す直前に最大となります。この摩擦力を最大静止摩擦力といい、英語では"maximum static friction force"といいます。

最大摩擦力\(\large{f_{max}}\)は、静止摩擦係数\(\large{\mu_s}\)(coefficient of static friction)と、垂直抗力\(\large{N}\)(normal force)から以下の式で記述されます。 $$\large{f_{max} = \mu_s N}$$

・動摩擦力

物体が動いているときに働く摩擦を動摩擦力、英語で"kinetic friction"や"kinetic frictional force"といいます。
動摩擦係数を"coefficient of kinetic friction"といい、\(\large{\mu_k}\)と表記します。
動摩擦力は、動摩擦係数\(\large{\mu_k}\)と垂直抗力\(\large{N}\)から、以下のように計算されます。 $$\large{f=\mu_k N}$$

【3】運動方程式に関連する英語用語の一覧

運動方程式に関連する用語を以下の表にまとめます。

摩擦を受ける運動方程式に関連する用語を以下の表にまとめます。

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